異物の誤飲について
2020.12.13(日)
突然ですが問題です。
梅の種、木の枝、ティッシュペーパー、マスク、プラスチックの髪留め、雑巾、石・・・etc
これらに共通するものは何でしょう?
正解は・・・
今年私が見た「ペットが食べてしまった異物」でした!
こんにちは!
獣医師の福本です。
本日は「異物の誤飲」についてお話させていただきたいと思います。
動物病院では年間を通して、「変なもの(異物)を食べてしまった」というご相談を多く受けます。
私たちの生活空間は様々なものであふれています。中には動物の興味を引き、誤飲の原因となるものもたくさんあります。
先述したもの以外にも、犬用のおもちゃ、竹串、硬貨、画鋲・針 など例を挙げるときりがありません。
また、おやつの骨やジャーキーなどが消化されずに食道・胃・小腸に停滞したときも異物とみなされます。
異物を食べ、消化器官に詰まってしまうと、主に
・嘔吐
・食欲不振
などの消化器症状の他に
・腹痛
・元気の消失
などの症状が現れます。
しかし、すぐには症状が出ないこともあり、数週間~数カ月前の異物が原因で不調を訴えることもあります。
また、タオルや衣服の繊維など、細長い異物を誤飲した際にはとても注意が必要です。
獣医界隈では一般に「ひも状異物」と呼ばれています。
ひも状異物で特に問題となるのは、小腸に引っかかってしまった場合です。
長い距離で小腸に引っかかり、壊死や穿孔といった重篤な状態に陥ってしまいます。
動物病院での治療として、異物の種類や大きさや詰まっている場所にもよりますが、
主に
・催吐処置
・内視鏡による摘出
・消化管切開による摘出
といった対応を行います。
異物の誤飲は、「食べさせない」ほかありません!
一番重要なことは、口に入れてしまいそうなものを、口が届く範囲に置いておかないことです。(床だけでなくテーブルの上も注意!!)
もし異物を咥えていても、無理に取り出そうとすると、慌てた動物は飲み込んでしまいます。
おやつを見せるなどをして、気をそらしてあげましょう。
誤飲してしまった(あるいは誤飲した可能性がある)場合は、動物病院へのご相談をお勧めします。