尿路結石症について
2020.12.05(土)
こんにちは!
獣医師の福本です。
近頃はめっきり冷え込んできましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
今年話題の新型コロナウイルスだけでなく、様々な風邪が流行る季節ですので、体調には十分お気を付けください!
さて、冬になると来院数が増える病気に「尿路結石症」があります。
寒くなる季節に特に気を付けてほしい病気ですね。
尿路結石症とは、腎臓・尿管・膀胱・尿道の中に結石ができてしまう病気です。
結石には様々な種類がありますが、代表的なものとして‘ストラバイト結石(リン酸マグネシウムアンモニウム)‘‘シュウ酸カルシウム結石‘などが挙げられます。
結石が尿路を塞いでしまう(尿路閉塞)ことにより、尿が出にくくなりることがあります。
また、結果として腎臓が正常に働かなくなることで、毒素などの不要なものを体にため込んでしまい、時に死に至ることもある怖い病気です。
尿路閉塞の症状として、
・頻繁にトイレに行くのに尿が出にくい/出ない
・血尿
・排尿時に痛がって鳴く
・落ち着きがなくなる、触れられるのを嫌がる
・陰部をなめる などがあります
特に、尿がでなくなって24時間経過してしまうと、意識レベルの低下、食欲がなくなる、嘔吐、体温の低下 なども認められるようになってきます。
では、なぜ冬にこの病気が増えるのでしょうか?
実は寒くなったことにより飲水量が低下することが原因の一つと言われています。(他にも年間を通して、食事の影響や細菌の感染も挙げられます)
水分をとる量が減ることにより、尿が濃縮され、溶けていたミネラルが沈殿(結晶化)しやすくなるなるのです。
特にオス猫は尿道が長く細いためつまりやすく、注意が必要です!
予防としてできることは、水を飲める環境を整えてあげることです。
・複数の水皿を用意する
・常に新鮮な水を用意する などがあります。
ご飯をウェットフードにして、水分摂取量を増やしてあげるのもいいでしょう。
他にも、トイレを清潔にすることも大切です。
汚いトイレではおしっこを我慢してしまい、尿を膀胱にため込んでしまうことがあります。
尿路結石は一度治っても再発の可能性が非常に高い病気です。
しかし、定期的な尿検査により、石になる前の結晶を見つけることで重症に至らないケースも多いです。
また、他にも尿路閉塞の原因として、尿道の炎症や、腫瘍による狭窄もあります。
10歳を超えると腫瘍の割合が増加する傾向があるようです。
もしおしっこの症状で気になることがありましたら、動物病院へ気軽にご相談ください!